ホーチミン市カンザー地区で計画が進む超大型の海上都市開発「Vinhomes Green Paradise（総投資額100億米ドル）」について、ホーチミン市党委員会のチャン・ルー・クアン書記は、工事の進捗を加速し計画通りの完成を目指すよう関係機関に指示した。11月8日の現地視察で述べた。
市指導部の現地視察と指示
クアン書記は、投資主体や施工業者から進捗報告を受けたうえで、各局・区・郡が投資主体と緊密に連携し、行政手続きの迅速化、接続道路などインフラ面の支援、投資環境の整備を求めた。工程管理を強化し、計画どおりのスケジュール遵守を重ねて指示した。
環境・生態系への配慮を厳格に
市は、環境保全と生態系への影響監視を厳格に行うよう要請。経済発展と自然保護の調和を前提に、持続可能な都市づくりを進める姿勢を明確にした。ユネスコ認定のマングローブ林に隣接するエリアであることから、環境基準の順守が前提条件とされる。
“特別メカニズム”の対象に指定
11月6日、ホーチミン市人民委員会は、政府の決議66.4/2025/NQ-CP（2025年9月21日）に基づく「特別メカニズム（＝法令の枠内で優先的・柔軟な運用を認め、手続きの停滞を解消するための措置）」の適用対象に、カンザー海上都市計画を含む6事業を選定した。対象には、国際大学都市、中心部とカンザーを結ぶ都市鉄道、3/2通り都市開発（約96ha）、クーラオ・ベンディン都市の地盤改良・インフラ（約110ha）、コンダオ空港（4E級、約510ha）などが並ぶ。地方レベルで迅速な意思決定が可能になり、円滑な事業推進が期待される。
プロジェクトの概要
計画地はホーチミン市南端のカンザー沿岸域。総面積は約2,870ha、海岸線は約121km、そのうち約53kmが公共ビーチとして整備される構想だ。事業名は「Vinhomes Green Paradise」。森・海・人の共生を掲げ、「海×生態×テクノロジー」を軸にした次世代型の大規模都市をうたう。ESG++の基準を取り入れ、再生可能エネルギーの活用やスマートな都市運営インフラの導入を進める。事業主体はVingroup傘下のカンザー観光都市（CTCP Đô thị Du lịch Cần Giờ）で、完成すれば国内最大級の海浜リゾート・都市複合エリアとなる見込みだ。
見通し
市は工程管理と環境配慮の“二本柱”を強調し、行政面の滞りを解消する体制づくりを急ぐ。特別メカニズムの適用により、実務手続きの前倒しと接続インフラの整備が進めば、計画全体の推進力が高まるとみられる。
※引用元：Người Quan Sát（2025年11月9日）
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