ロンタイン空港第2期で「特別な枠組み」 政府が国会に権限委譲を要請

ロンタイン空港第2期で「特別な枠組み」 政府が国会に権限委譲を要請

ベトナム政府は、国家プロジェクトであるロンタイン国際空港の第2期工事について、国会の個別承認を経ずに、政府の権限で「実施可能性調査報告書(FS)」を審査・承認できる特別な手続きの導入を提案しました。手続きの簡素化により、第2期の準備と着工を前倒しし、空港整備のスピードを高める狙いがあります。

政府が求める「特別な手続き」とその背景

12月8日午前、建設省のチャン・ホン・ミン大臣は、首相の代理として、ロンタイン国際空港事業に関する国会決議94/2015/QH13の内容を一部見直す案を国会に提出しました。見直し案では、第2期に関する実施可能性調査報告書について、国会への報告・承認を経ず、政府の権限で承認できるようにすることが求められています。

ミン大臣は説明の中で、公共投資法では、本来、国会が投資方針を決定した国家重要プロジェクトについては、首相が投資決定を行う権限を持っていると指摘しました。ただし、ロンタイン空港は規模が非常に大きく、構造も複雑で、ベトナムで初めてのタイプの空港となるため、これまで国会は、各段階ごとに実施可能性調査報告書を作成し、国会の承認を得てから投資判断を行うという、より厳格なプロセスを求めてきました。

第1期では、政府が実施可能性調査報告書を作成し、国会の承認を得たうえで、4つの構成プロジェクトに分割し、それぞれに適した投資主体を選定しました。これにより、国防・安全保障や国家の利益を確保しながら事業を進めています。

第2滑走路の前倒しが前例に

第1期の実施途中で、政府は第2滑走路(従来は第3期に予定されていた)の建設を、第1期に前倒しするよう国会に要請しました。この際、国会は、前倒しに伴う第1期の実施可能性調査報告書の修正について、国会への再承認を求めず、政府の権限で承認できるよう認めています。今回の提案は、こうした前例を踏まえ、第2期でも同様に政府裁量を広げる内容です。

ミン大臣は、手続きの簡素化は、公共投資法(2024年改正・2025年施行予定)が掲げる「分権・権限委譲の強化」という方向性にも合致すると説明しました。政府としては、研究、審査、承認のプロセスを機動的に進めることで、事業全体の進捗と効率を高めたい考えです。

需要増を見据えた第2期の前倒し

第1期の実施可能性調査報告書では、第2期(第3滑走路と第2旅客ターミナルの建設)の検討・投資時期を2028~2032年と想定していました。しかし、政府は、2026年以降に国内総生産(GDP)の伸び率が2桁に達するシナリオを掲げており、国内の空港全体、とくにロンタイン空港の旅客数は、当初想定よりも早いペースで増加すると見ています。

こうした見通しを踏まえ、政府は第2期の検討・投資を前倒しする必要があると判断しました。さらに、第3滑走路の建設を早期に進めれば、第1期で現場に投入されている人員や重機をそのまま活用できるため、時間とコストの削減につながります。また、空港運用が本格化した後に大規模工事を行う場合に比べ、工事による粉じんや騒音が空港運営に与える影響も抑えられるとしています。

国会側も原則同意、政府の責任を強調

審査報告を行った国会経済・財政委員会のファン・バン・マイ委員長は、政府の提案には十分な根拠があり、現行法の規定や、分権・分権強化を進める党の方針にも合致していると評価しました。そのうえで、実施可能性調査報告書の作成・承認プロセスを簡素化することで、国家重要プロジェクトの投資決定までの時間短縮が期待できると述べました。

マイ委員長は、「ロンタイン空港事業に関するこれまでの決定と同様に、今回の見直しも国会として一貫した立場で検討している」としつつ、政府に対しては、提案内容の実行に伴う責任を明確に負い、工事の進捗、品質、投資効果を確実に担保するよう求めました。一部の議員からも、政府が工程管理とリスク管理を徹底するよう注文が出ています。

ロンタイン国際空港プロジェクトの概要

ロンタイン国際空港建設プロジェクトの概算総投資額は336,630ティービーエヌドン(約160億3,000万米ドル、いずれも2014年価格ベース)とされています。このうち、第1期の投資額は約114,450ティービーエヌドン(約54億5,000万米ドル)です。事業用地は約5,000ヘクタールにおよび、現在計画されている中ではベトナム最大規模の空港プロジェクトです。

計画では、プロジェクトは3段階で整備されます。第1期では、北側に2本の滑走路と第1旅客ターミナル、関連施設を整備し、年間2,500万人の旅客と120万トンの貨物を処理できる能力を確保します。完成・運用開始の期限は2026年12月31日とされています。第2期では、開放型の第3滑走路と第2旅客ターミナルを建設し、年間5,000万人・150万トンまで能力を引き上げる計画です。最終の第3期で全施設を完成させ、年間1億人の旅客と500万トンの貨物に対応できる巨大ハブ空港を目指します。

政府は、特別な手続きにより第2期の準備を加速させ、タンソンニャット国際空港の過密を緩和しつつ、南部経済圏全体の物流・観光・投資環境を強化したい考えです。国会での議論と最終決定が、今後のベトナム航空インフラの方向性を左右する重要な節目となります。

※引用元:Zing News(2025年12月9日)
※本記事は元情報を翻訳した内容であり、情報が変更される可能性があります。